With
episode.18 (ページ2/3)
「だから、私を、先輩のそばにいさせてください……!!」
ビクッと先輩の体が震えて、私の首筋から顔を上げた。
少しだけ私と体を離し、カカシ先輩は私の顔にまっすぐな視線を注ぐ。
私はその視線に向かって必死に告げた。
「そばにいさせて欲しいんです……!! 強くなるから……私、もっと強くなるから……。お願いです、私……私、ずっとカカシ先輩が好きで、だから……!!」
なんか、もう、思いが溢れて泣きだしそうだった。
なんて言ったらいいのかわからないくせに、言葉も感情も抑えがきかなくて、そんな自分をカカシ先輩が今まで見たことないほど真剣な表情で見つめてくる。
その瞳に、私の心拍数は加速し続け、何も考えられなくなって、私はどんどんまっ白になっていく頭ととどまることのない想いを胸に抱えながら、カカシ先輩を見つめ返すことしかできなかった。
目に入るものなんて、もうカカシ先輩の姿だけだ。
ただただ目の前の大好きな人を凝視する私に、カカシ先輩がそっと手を伸ばした。
スッと頬に触れた先輩のひんやりとした指の感触にドキリとして目を伏せる。
口元の布に左手をかけ、カカシ先輩はそのまま少しずつ私に顔を近づけた。
一秒一秒、私と先輩の距離が縮まって、私はゆっくり目を閉じてゆく――。
そのとき、
「カカシ先パーイ?」
近くの木々の間から聞きなれた男性の呼び声が聞こえた。
ヤマト……?!
そう思った私の体をカカシ先輩がハッと息を飲み、すぐに離した。
それと同時にそばの木の後ろからヤマトの長身が姿を現す。
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