HALF.
episode.17 (ページ1/4)
名無しの後を追うように俺もすぐに定食を食べ終わった。
「ごちそーさまッス」
支払いを済ませようと立ち上がった俺は、おっちゃんから告げられた金額に自分の耳を疑った。
「は? サバミソ定食、値上げしたんスか?」
会計の金額が記憶していたものより高い。
っつーか、高すぎ。
いつもの二倍の値段だった。
怪訝そうな顔の俺におっちゃんは穏やかに笑いかけた。
「イヤイヤ変わりませんよ。ただ先程のお客さんが自分の会計もこっちに一緒につけといてくださいって……」
名無し―――!!
猛然と怒りが湧き上がる。
アイツか、あのヤローか!!
ちくしょー、謀られたッ。
「お金、ここ置いとくんでッ!!」
俺は二人分の会計を卓上に叩きつけると、転げるように店を飛び出した。
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