HALF.
episode.07 (ページ1/3)
「サッサと出てこいよ」
地上に降り立った俺は、目をつけた茂みから充分な距離をとって声をかけた。
警戒するような沈黙の後、ガサッと草木が動き、三人の忍が現れた。
ブルーグレーのインナーとパンツに黒のベストと忍靴を身につけ、三人のうち二人は忍マスクで口元を覆っている。
「木の葉の忍ってわけじゃなさそーだな。里まで一緒に来てもらおうか」
俺が胡散臭そうな視線をぶつけると、忍マスクをしていない男が答えた。
「イヤだって言ったら?」
「そーだな、そしたら、まぁ、めんどくせぇーけど力づくってとこだろ」
俺の言葉が終らぬうちに横にいたチョウジが倍加の術で体を巨大化させ、肉弾戦車の術を使って飛び出していった。
ぶつかる木々をなぎ倒し、すさまじい勢いで先ほど俺に答えた男を追いこんでいく。
男の方はチョウジの体に当たらぬようよけることしかできない。
うまいぞ、チョウジ。
心の中でチョウジの優勢を確信していると、相手の忍がチョウジの肉弾をよけながら両手で印を結び始めた。
何をするつもりだ……?
印を結び終えた男が術を発動させる。
地面がボコボコと隆起し、あっという間にチョウジと男のまわりは茶色いカサを持つキノコで埋め尽くされた。
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