HALF.
episode.36 (ページ1/4)

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ひっ迫する空気の中を、

「終了」

微かに笑みを浮かべたエイシンが軽く言う。
それから俺の手を離そうとしたエイシンは、

「――ッ?!」

目の色を変えた。
それもそのはず。

「影真似の術」

エイシンの前でヤツの影を捕まえた俺がニヤリと顔を上げてみせたのだ。
死んだとばかり思った相手が若干シビレる以外はこれといったダメージもなく涼しい顔して立っている。
それどころかその相手に自分は動きまで封じられている。
この状況にエイシンが目を見開かないわけがない。

「やっと捕まえられたぜ」
「キサマ――」

俺は自分の両手を軽く上げ、体の自由が利かないエイシンの視野に無理やり見せつけた。

「よく見てみろよ」
「……」

黙ったまま俺を睨みつけるエイシンに向かってニッと口角を引き上げる。

「さすがにさっきの放電は威力がすごかったなぁ。ゴム手袋二枚重ねてたのにちょっと破れちまったよ」



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