HALF.
episode.29 (ページ1/6)

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あの日、綱手から告げられた任務はある人物の護衛だった。

「その人物は火の国でも木の葉の里擁立に力を入れてくださっているお方だ。命を狙う輩からしっかりと守ってもらいたい」

綱手が机の上に両手を組んで、俺を見上げた。

「そして、その命を狙っているのはこの間お前らが捕まえてきた男の一味だ」
「――」
「確保された男からの情報によるとどうやら奴の一味は木の葉の里を落とそうとしているようだな。そのためにもまずは木の葉びいきの大名を潰そうということらしい。火の国からのバックアップを断ち、里の弱体化を狙うつもりなんだろう。とにかく重要な任務だ。頼んだぞ」
「あの……」

黙って聞いていた俺はあることを思い出して綱手に訊ねた。

「俺が前に見たあの面の男のこと、それについてはなんかわかりましたか?」

名無しが誘拐されたとき、俺の前に現れたグレーの髪のヤロー。
名無しのことを知っていて連れ去ろうとした。
アイツの正体を知りたくて、俺は綱手の顔を見る。

「名無しが拉致されたときに見たという奴か。いや、そいつのことはわからない。残念ながら聞き出せたのは今話した襲撃の件だけだ」
「そぉッスか……」

期待外れの返答に俺は目を伏せ、そう告げた。





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