HALF.
episode.27 (ページ1/3)

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任務を終え、その報告のために俺はひとり火影邸へ向かった。
火影邸へ足を運ぶたび思うことがある。
アイツの、名無しの母親のことを綱手に聞くかどうかってことだ。
俺の心をとらえていた二つの出来事のうち、チョウジのことはとりあえず本人の告白を聞いて話が見えた。
それはそれでまた別の形で俺の中に影を落としている感じもするが、気にかかっていたこと自体は納得できたと言っていい。
問題はあともう一つ。
名無しの母ちゃんのことだ。
オヤジにはぐらかされ、綱手にでも聞けと言われたアイツの母親のこと。
オヤジの反応からして何か言いにくいことがあったらしいと思う。
それを俺はすげぇ知りたい。
けど、わざわざ綱手に聞く勇気はそう簡単に生まれるもんじゃねぇ。
俺は何度となく綱手と顔を合わせていながら今までその真相を確かめることができないでいた。





「任務完了しました」

今日も俺はそんな葛藤を胸に綱手に任務報告を上げた。

「うむ。御苦労だったな、シカマル」

机の前に座ったまま、綱手は労いの言葉をかけると、続けて俺に訊ねてきた。

「最近どうだ、名無しは? まだお前に迷惑かけてるか?」

かけてるっちゃあ、かけてるけどな……。



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