HALF.
episode.19 (ページ7/7)
コイツのそういう姿をバカにしてんじゃねぇよ――。
理由なんかわからなかった。
でも、すげぇ苛立たしくて、名無しをバカにするアイツらを俺は素直に許せねぇって、そう思った。
俺は腰に手を伸ばし、手に触れた忍ポーチの中から丸い玉を取り出す。
チャチャッと片付けてやる。
手の平にすっぽりとおさまる玉を握りしめ、茂みの向こう側を睨みすえた俺の目に、いつの間に近寄ったのか名無しのそばでクンクン鳴いてる子グマが映った。
「なんだ、コイツ?」
子グマを見つけたサグがそのコロコロとした体の後肢をガシッとつかむと、ブンッと地面に向かって放り投げた。
ぎゃふッ!!
子グマが土の上に叩きつけられる。
――ッ。
その光景に、
お前ら大概にしろよッ……!!
俺は湧きあがる感情とともに煙玉を投げつけた。
to be continued.
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