HALF.
episode.19 (ページ2/7)
まいったな。
こっから先どういうルートを進んだんだ?
俺は眉間にしわを寄せ、辺りをぐるりと見回した。
このまま真っ直ぐ木の上を行ったのか。
それとも地上に降り立ち、右や左に方向転換してんのか。
クソ、これじゃ探しようがねぇーー。
俺は舌打ちすると地上にストンと飛び降りた。
片膝をつき、とりあえず地面に何か痕跡はないか慎重に調べていく。
けど、目を皿のようにしたところで、やっぱりそんなものは見つけられなくて、俺は手にした名無しのカギをギリッと握りしめた。
こんな所で見失うなんて――。
そのとき。
フンフン……フンフン……。
カギを握る俺の手に妙に生温かい風がかかった。
なんだよ、オイ?
気持ち悪ィなぁ。
自分の手に面倒くせぇーって視線を向けて、俺は思わず息を飲む。
慌ててザゥッと後ろに跳び退った。
「なっ……?」
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