HALF.
episode.18 (ページ3/5)

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足元に何かが落ちている。
俺はそれを拾いあげてマジマジと見た。
カギだ。
なんの変哲もないカギだった。
ただ、カギと一緒に付いているモノがある。
それを見て俺は顔色を変えた。

コレ……。

カギの頭部に開いた穴には緑と黄色と白の糸でキレイに編まれた組み紐が通されており、その三色の紐と一緒に鈴と座布団に座ったちっこい着物姿のじーさんがくっついている。

う、歌麻呂根付けじゃねぇーかよ!!

まぎれもなく、そこには、この間の任務で名無しが自信満々自慢げに見せつけてきた桂歌麻呂の根付けが付いていた。

名無し―――。

俺は歌麻呂根付けの付いたカギをぎゅっと握った。

何かあったのか、オイ?

不注意でカギを落としただけなら構わない。
医療忍者や俺が立てた安易な怒りの推測が正しいって言うなら、それでいい。
だけど、もし。

それが違うっていうのなら……。

ジワリと足元から昇るこの嫌な感覚はなんだろう。



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