HALF.
episode.18 (ページ2/5)
ひとり、小路に残された俺は、腕を組み、じっとその場で考え出す。
俺がここを離れたのはほんの数分。
猛ダッシュで行って帰ってきたんだ、10分とかかってやしねぇ。
その間、旅人のふたりはともかく、名無しまでここを離れるか?
眉間にしわを寄せ自問する俺の頭に、
『ぎゃぁー!おごって下さい―!』
定食代に関する俺と名無しの熱いバトルが思い浮かんだ。
……もしかして、逃げたか?
女の具合がよくなったのをチャンスとばかりに定食代を払わせようとする俺から逃げ出したか?
そうゆーことか?
……っつぅーか、アイツならあり得る。
ムクムクと俺の胸に怒りがわき上がった。
脳裏に浮かぶアイツのニタリ笑い。
「あのヤロォォォ―!!」
そぉゆーことかよッ!!
名無しの相変わらずの非常識っぷりに俺は再び名無しを追いかけようとする。
その足がふと止まった。
なんだ、コレ?
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