HALF.
episode.18 (ページ1/5)

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病院に着いた俺は、手空きの医療忍者をつかまえ事情を説明した。
狭心症患者に必要と思われる器具や薬剤を一通り準備してもらい、その医療忍者とともに例の現場へと急ぐ。
そうして、名無しの待つ場所へと戻った俺はその場の様子に唖然とした。
さっき名無しや発作を起こした女らを残し立ち去った小路には誰一人として姿が見えない。
俺は言葉を失った。

どうゆーことだよ?

みんな、どこかへ行ってしまったのだろうか。
隣にたたずむ医療忍者が状況を推測した。

「数分で発作がおさまって、どこかへ移動したんじゃないでしょうか。それならあり得ます。容体が悪化したのであれば、ここを離れるわけもありませんから、患者の具合が回復して場所を移ったと見るのが妥当でしょう」

確かにその意見はうなずける。

でも、なんだろうな。
なんか釈然としねぇー。

俺はどこかスッキリとしないものを感じながら、かと言って仕事中の多忙な医療忍者をいつまでも引き留めておくわけにはいかず、

「なんかスイマセンでした。せっかく来てもらったのに無駄足で……」

頭をさげた。

「いえいえ、大事に至らず良かったですよ」

医療忍者は嫌な顔一つせず朗らかに病院へ戻って行った。



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