HALF.
episode.17 (ページ4/4)
「つ、妻がっ……心臓の発作を起こして倒れたんです! た、助けてください!!」
動揺する男の横で名無しは女の手首を掴み脈を見ながら、飄々と告げる。
「いつも薬、飲んでますよね?」
「ハ、ハイ!」
「それ、くれますか?」
「あの、その薬を旅の途中で切らしてしまって……」
そこまで聞くと名無しが俺を振り返った。
「隊長、手ェ貸してください」
名無しの指示に従って、俺と男で人通りの少ない横道に女の体を運びこむ。
それが終わると名無しが、
「隊長、もうひとつ頼まれてください。病院まで行って医療忍者を連れてきてほしいんス。狭心症発作の患者が出たって言えば向こうも事情がわかります」
「キョウシンショウ?」
オウム返しにたずねた俺に名無しが頷く。
「ええ。心臓への酸素供給が不足して一時的に発作を起こす病気です。このまま安静にしてれば数分でおさまるはずなんですけど、念のため応急処置に必要な機材なんかを持ってきてもらいたいんス。最悪ヤバければ病院まで運ばないといけなくなりますし。私はここで容体診てるんで、隊長、病院まで頼みます」
「あぁ、わかった。急いで誰か呼んでくる」
俺はそう答えると、即座にその場を後にした。
to be continued.
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