HALF.
episode.17 (ページ2/4)

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名無しが店を出てから、まだたいして経っちゃいない。
今から追いかければ、その辺で捕まえられるはずだ。
俺は里の大通りを全速力で走りまくった。

クッソー。
名無しのあのニタリ顔はこーゆーことかよ!

店から出る間際にアイツが見せたニヤケ顔の訳がやっとわかって、俺の胃が怒りに燃える。

絶対ェとっ捕まえてやるからな。
生姜焼き定食代を払わせてやる。

そう堅く心に誓い走り続けていると、大通りの前方に見慣れたミディアムショートの黒髪が姿を現した。

見つけたぞ、名無し―――!!

往来をかき分け、背後まで近付き、俺は名無しの腕をガッとつかんだ。
ハッと振り返った名無しが俺の憤怒の形相を見て、ハハ……といつものように苦笑いする。
そして。
―――走り出した。

「逃がすか、コラァァア!!」

グイッと捕まえた腕に力を込め、俺は脱兎のごとく逃亡を試みる名無しをその邪な計画ごとしっかりと押さえつけた。

「お前、俺にツケをまわすとはいい度胸してんじゃねぇか、あぁ? 逃げられると思うなよ? 早く定食代を払いやがれ!!」



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