HALF.
episode.16 (ページ4/4)

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「がうぅぅぅっ!!」

名無しはそれを口に放り込むと、立ちあがってガリゴリと噛みくだした。

「なにさ、なにさ。隊長のせいで、こっちはすっかりヤル気なくなっちゃったよ。食欲失せちゃったよ。ハイハイ、どーもごちそうさまでした」

名無しは吐き捨てるように言うと、会計をしに、おっちゃんの方に近寄って行った。
俺は静かになった前の席に目を落とす。

何が食欲失せちゃっただよ。

俺の目にしっかりたいらげ終わった生姜焼き定食が映る。

全部食ってから言ってんじゃねぇーよ。

俺が視線をあげると、名無しが店のおっちゃんにゴニョゴニョと耳打ちして、そそくさと店を出ていくところだった。
まいどー、というおっちゃんの声に、

「ごちそーさまでぇーす」

と返すと、名無しはドアに手をかけ、俺に向かって二タッと笑いかけた。

「……?」
「そんじゃ隊長、お先に」

得体の知れない笑みを残して、名無しが店を出て行った。





to be continued.
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