HALF.
episode.16 (ページ2/4)
めんどくせぇーな、ちくしょう。
なんだって、こんな休みの日に真っ昼間からこんな奴に出くわさなきゃなんねぇーんだよ。
俺は自分の行動を心底、後悔した。
最近忙しくてなかなかここのサバミソ定食を食いに来れなかった俺は、ちょうど今日は任務もねぇーし、と重い腰をあげてやって来たのだ。
でも、それが世に言う運の尽き。
こんなのに会っちまった。
やっぱ家でじっとして、本でも読んでりゃよかった。
後悔の渦に巻き込まれる。
「なんスか、隊長。この世の終わりみたいな顔しちゃって。ダメですよ、ヘコんじゃ。モテないからって、ヘコんじゃダメ」
「誰がモテねぇーんだよ、オイ!!」
「え、違う? じゃあ、ストーカーしてたの、あの娘にバレちゃったか? 見つかっちゃったか?」
「あの娘って誰だよ?! 俺、ストーカーなんてしてねぇーからッ!!」
「なんだ、ストーカーの話はガセネタか。ちぇ、シカクおじさんめ」
「って、また、おやじィィィイーーー?!」
何ゆってんの?
アイツ、何ゆってくれちゃってんの?!
ホント、こいつらの関係はなんなの?!
膨らむ疑惑の念を胸に、俺は運ばれてきた定食を食べだした。
もうサッサと食って、一刻も早くここから立ち去るしかない。
そう思って、猛スピードで飯をかき込む。
その姿を眺めながら、名無しが呟いた。
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