HALF.
episode.15 (ページ3/5)

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異様に、安心する。
たかが腕のケガを治してるだけなのに。
命ってモノに形があるんなら、今、俺の命を名無しが手の平で大事に包み込んで、すくいあげてる感じだ。

なんなんだよ……。

コイツだったら守ってくれる、俺の命を必ず救ってくれるって、訳もなく湧き上がる信頼感に満たされて、俺の全身が巨大な安堵の静けさに支配されていく。
名無しの手から注がれるチャクラが春の日射しのようで、

すげぇ、あったけぇ―――。

俺の体から力が抜けていくのがわかった。
思わず目を閉じる。
その耳に名無しの声が届いた。

「痛くても我慢ですよー。こーゆー痛みに打ち勝ってこそ、世の中、大事を成し遂げられるんですからねー」

なんだよ、それ。
でも、どっかで聞いたようなセリフ。
あ、そういやぁコイツ、子グマにも似たようなこと言ってたっけな。
……って、俺は子グマと同じ扱いかよ。
ひでぇーなぁ。

フッと笑いがこみ上げた。



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