HALF.
episode.12 (ページ3/4)

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「オイ、名無しッ!」

名無しは、手で体を支えると、俺に情けない顔を向けた。

「さ…最後にチャクラ使い過ぎちゃって。ハハ……」

最後?
あぁ、あの男に使った印か。

俺は、チョウジと一緒に草地へと運び出した男の体に目を向けた。
意識を失っているだけで命に別条はなく、近くの草の上に横たえてある。

「なぁ、あの最後の術ってなんなんだよ?」

名無しが術をかけた後、男はすぐにぐったりと動かなくなった。
死んだとばかり思っていたのに、男はただ気絶しただけだった。
俺は、その術の仕組みが気になって、名無しにたずねた。

「あー、アレ。アレは凝縮したチャクラで脳に振動を与えて、脳震盪を起こさせてるんス。どうも、私、人をその……殺すの苦手で。ある人からこの術、教えてもらったんです。ただ、膨大なチャクラをくう上、チャクラコントロールが難しくって。なので、アレ使うと、やたら疲れて、しばらく何も術が使えなくなるんでスよ」

は?
人を殺すのが苦手?

名無しの言葉に、フッとコイツの戦い方が思い出される。
メチャクチャに攻め込むくせに、何一つ致命傷を与えなかったコイツの攻撃。
そこに生まれた妙な違和感。
その違和感は、決して俺の気のせいなんかじゃなくて。



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