HALF.
episode.10 (ページ3/5)

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イノと女の勝負は互角といった感じだ。
初めのうちこそ、リダは自分の仲間からの攻撃に驚き戸惑い、押されていたものの、徐々にサグの体が俺らに操られていると気づいたらしい。
形勢を盛り返してきている。

まぁ、それでも……。

俺の影が滑るように伸びていく。
女の影まであと少し。
動き回るリダの影を見定めて、俺は残りの距離を一気に詰めた。
俺の影が女のそれを飲みこもうとし、俺は叫んだ。

「これで終わ……」
「ここまでだな!」

俺の言葉をかき消すように、キノコの密生する方向から、ファラの嘲声が届いた。

―――ッ!!

俺は突然冷たい水でも浴びせられたかのような、そんな焦りとともに名無しを見た。
目に映る光景に、言いようのナイ寒さが襲いかかる。
名無しが、ひざまずいていた。
片膝をつき、顔をうつむかせて、まるで降伏でもするみたいにファラの前でひざまずいている。

名無しッ……!!

毒だ。
毒がまわったに違いない。
キノコに埋もれ、動けないでいる名無しにファラが一歩一歩近づいて行く。



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