HALF.
episode.09 (ページ4/5)
「突然あらわれてゴチャゴチャうるせぇーんだよ。何が、そっちは頼みます、だ。いい気になんなよ? 仲間が一人増えようが、お前らの窮地に変わりはねぇじゃねぇーか」
たしかにその通りだ。
男の言葉にはうなずくしかない。
仲間が一人増えても、攻撃の仕組みがわかっても、キノコの毒をどうこう出来る手段があるわけじゃねぇ。
毒を回避して逃げる以外、俺らに出来ることはなかった。
なのに、名無し―――。
アイツは動かない。
キノコの中で男を見据え続けている。
どうしようってゆーんだよ。
このままじゃお前も……毒にやられちまう。
「けど、まぁ……」
男が口を開いた。
「そんだけ大口を叩くんなら、お前らの望み通りにしてやるよ。サグ、リダ、そっちの二人、お前らに任せたぜ?」
忍マスクをした二人、サグと呼ばれた男とリダと呼ばれた女は、
「いいぜ」
「まかせて、ファラ」
余裕の表情で男に答えると、そのまま俺とイノに視線をよこした。
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