HALF.
episode.09 (ページ3/5)

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ホントわかってんのかよ?!
そこにいたんじゃお前まで毒が……。

名無しに今すぐチョウジを連れてこっちに来てほしい。
早くチョウジの手当てにあたってほしい。

誰一人として、犠牲者を出すのはイヤだ―――。

そんな焦燥感とともに、俺がもう一度声をかけようとしたとき、俺より先に名無しが口を開いた。

「隊長、そっちのことは頼みましたよ?」
「おま……」
「こっちはチョウジくんを必ず助けるんで」

名無しの、今までと違う声の響きに、俺は口を閉じた。
スッと立ち上がった名無しの目が、前に一度見た、海みたいな深い色を湛えたそれになっていた。
その目でジッと敵のほうを見ている。
俺はそんな名無しに、また簡単に飲みこまれた。

名無し―――。

名無しの視線の先で、人の動く気配がした。
名無しが弾き飛ばした男が立ち上がり、ひどく苛立たしげな顔で、アイツのそばに近寄っていく。



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