HALF.
episode.09 (ページ2/5)

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「名無し、そのキノコ、空気中に毒素を飛ばしてんだ! とにかくチョウジを連れて、早くそこを離れろ!!」

聞いてんだか聞いてねぇーんだか、名無しはハイハイと空返事すると、手にしていたビニル袋から薬草を引っ張り出し、チョウジの顔の下に敷きだした。

あのヤロー!
こんなときくらい言うこと聞けよ!!

俺は、動く気配を見せない名無しをキノコ地帯から連れ出すため、走り寄ろうとした。

「そこにいたらお前まで倒れ……」

カッと、名無しが俺のほうに何かを投げつけた。

え?

下を見れば、それは手裏剣で。
俺の足元ギリギリにサクッと刺さっている。

「何すんだよ、危ねぇーだろッ!! 俺はお前を……」
「そっからこっち、立ち入り禁止。入ってこないでくださいよ?」

涼しい顔でそう言うと、名無しはリュックをおろし、チョウジの頭のそばでブツブツ言いながら、先程と異なるビニル袋をのぞきこんでガサガサやり始めた。



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