HALF.
episode.08 (ページ1/2)
「チョ、チョウジッ!!」
うつ伏せに地面に横たわるチョウジの体は、肉弾どころか、すでに倍加の術さえ解けて、いつもの体に戻っている。
その体はピクリとも動かない。
イノが両手で口を覆った。
俺の息も止まる。
チョウジのそばで、敵の忍は余裕な顔をした。
「残念だったな。なんかわかったみたいなのに、間に合わなくって」
俺は男を睨みつけた。
「あぁ、わかったさ。お前の狙いがよ」
「へぇー。そりゃスゴイ。俺にも教えてくれよ」
男の、上からの物言いに、俺は苦々しげな顔で答えた。
「そのキノコ、おそらく胞子とともに、空気中に毒素を撒き散らしてんだろ。
お前が忍具でキノコを壊してたのは、それを広げるため。
つまり、外的刺激を与えると、その勢いで毒素をより広範囲に飛ばすことができるからだ。
チョウジの動きも、それを助長させ、お前にとっては好都合だった。
チョウジを止めることが無理だとふんだお前は、そうやって飛ばした毒素を、チョウジの呼吸と一緒に体内に取り込ませ、動けなくさせようとしたわけだ。
チョウジの回転は、手裏剣は弾き返せても、空気中に混じった毒素まではさけることができねぇからな。
考えてみりゃ、お前の仲間、忍マスクしてんもんな。
それは毒キノコの毒素、吸わないようにするためだろ」
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