HALF.
episode.01 (ページ2/4)

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サウナと温泉を堪能してひと汗流した俺は、

たまにはこうゆーところで日頃の疲れを癒すってのも悪かねぇーな。

と、まんざらでもない気持ちで休憩ルームへ足を運んだ。
売店のオバちゃんに金を払い、風呂上がりの牛乳を購入。
もちろん紙パックなんかの味気ナイやつじゃねぇ。
ちゃんとガラス瓶に入ってるやつだ。
そのフタを開けながら、俺の目に部屋の片隅で卓球を楽しむ人たちの姿が映った。
カツーン、カツーンと球を打つ小気味良い音があたりに響く。

確かにな、温泉っつったら卓球やりたくなるのは人情ってもんだ。
けど俺は……。

ぺタぺタとサンダルの音を響かせながら、俺は迷わずマッサージチェアへと近づいた。

オッサンくさくて構わねぇ。
誰がなんと言おうが俺はマッサージだ!

堅い決意を胸に俺は牛乳をグッとあおった。
そのとき。

ヒュルルルルーーーガゴッ!!

「ゴフッ!!」

突然、俺の背後から頭に何かがぶつかって、その勢いで俺は牛乳をズォッと吐き出した。
頭部に激痛が走り、頭を抱えてうずくまる。

いってぇーー!!
なんだよ、一体?!

足元に落ちている卓球ラケットに気がついて卓球台のほうへ目をやれば、そこからコソコソと休憩室の出口へ向かう人影が見えた。
歳の頃は14、5。
黒髪をミディアムショートにした見たことねぇ女。
一瞬そいつが俺のほうを見てバチッと目が合う。

アイツか、このやろーー!!

猛ダッシュに切り替えたそいつを、俺は牛乳瓶片手に鬼気迫る勢いで追いかけた。






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