HALF.
episode.45 (ページ3/4)

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その問いに正しい解答なんて出せやしねぇーけど、それでも今わかっていることは、

「俺は名無子がいいんです。俺の直属としてもう一度名無子をつけてください」

呻くような声で俺は綱手にハッキリと言いきった。

他の医療忍者じゃお前の代わりになんてなれやしない。
俺はお前がいいんだよ――。

「シカマル……」

ビックリしたというよりはどこか俺の返事を予期していたような感触で、綱手が俺の顔を見つめた。
その目に負けじと俺も真剣に見つめ返す。
しばらく続いた沈黙の後、綱手が何かを心に決めた様子でゆっくりと俺に話しだした。

「お前、以前、私に名無しの母親のことを訊ねていたな?」
「はい」

あの時、綱手は話をはぐらかし、そのためアイツの母親に何があったのか俺はまだ知らない。

それが今なにか関係あるのか?

話の見えない俺を前に綱手が静かに告げた。

「今のお前は知っておくべきだろうな。名無しの母親は……」

そこで一息ついた後、綱手が良く通る声で続けた。

「自殺したんだ」
「……ッ」
「それを見つけたのは名無し自身だった」
「なッ――?!」

声を飲み込んだ俺には目も向けず、綱手は床に視線を落したまま過去の記憶と対峙する。



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