HALF.
episode.45 (ページ2/4)

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話についていけない俺のことなどお構いなしに綱手がどんどん話を進めていく。

「名無しがお前の直属から抜ける代わりに新しい医療忍者をつけようと思うが希望はあるか? 今までいろいろと医療忍者を遣わしたろ? その中から気に行った者を選んでいいぞ?」

名無しがお前の直属から抜けるという言葉に俺の頭が激しい衝撃を感じた。

抜ける?
抜けるって……なんだと?

俺はようやく自分の声を喉の奥からしぼりだした。

「なんで……なんで院内勤務に戻りたいなんて……」

綱手が、あぁ、そのことか、といった表情で俺に頷いた。

「この間の任務の後、アイツなりにいろいろと考えたそうだ。それで辿りついたのがこういう結論だったらしい。おそらく幼馴染の死がアイツに転機を与えたんだろう。そのくらいあの一件は辛いものだったということだ」

……エイシン。

アイツが名無子にとって大事な幼馴染だってことは充分わかってる。
けど――。

それだけなのか?
死んでもなお名無子にこれだけ影を落とせるのは、アイツがエイシンのことを幼馴染以上にもっと大切な存在として想ってるからじゃねぇーのかよ?

体の芯が一瞬にして冷えついて、俺の気持ちが震撼する。

なんでこんなに体中が凍てつかなきゃなんねぇーんだろう。
俺にとって名無子って一体なんなんだろう。



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