HALF.
episode.44 (ページ2/2)
綱手が唇に軽く握った拳をあてて、目を細めた。
「まぁ、よくわからないが、武器庫や食料庫、そういった倉庫的なものがあるんじゃないかと睨んでいる」
「なるほど」
充分考えられると頷いた俺に綱手が静かに告げた。
「その場合はそれらを壊してきてほしい」
「了解ッス」
俺は地図をたたむとズボンのポケットにしまいこんだ。
それを見届けた綱手が再び口を開く。
「でな、シカマル」
「はい」
「名無しのことなんだが」
その言葉にドクンッと体中の血液が一気に血管内を移動したのがわかった。
ずっと気になっている。
名無子のことが。
エイシンの一件以来、一度も姿を現さないアイツを訪ねて行きたくて仕方がなかった。
けど、様子を見に行こうにも俺にはチョウジの気持ちがわかっているから、それがずっとできないでいた。
どこからも情報の入らないアイツの近況。
俺にはのどから手が出るほどにその情報が欲しかった。
今から綱手が教えてくれるんだろうか。
それとも、もっと別の話なのか。
体には自然と力が入ってしまっている。
何を言うだろうかと身構える俺に、綱手が実に言いづらそうに先を続けた――。
to be continued.
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