HALF.
episode.41 (ページ6/6)

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……どんな子?

そのときブワッと俺の目の前に名無しの姿にダブってあの女の子の幻影が見えた。
ハッと足を止めた俺をチョウジが不思議そうに振り返る。

「どうかした、シカマル?」
「なんでもねぇー……」

俺は何事もなかったように歩きだしたものの、もう一度その足を止めた。
大きく息を吸う。

「チョウジ、悪ィ。俺、用事思い出したわ。ちょっと行ってくる」

言うなり、俺は駆けだしていた。

「え? あ、シカマル――」

俺の背中にチョウジの声が聞こえて、でも俺は振り向かなかった。

教えてやるべきだろ?

そう思うくせに、俺は思い当たった名無しの居場所をチョウジに告げず、一人で行こうとしている。
一人で行きたいなんて思っちまってる。
こんなの背徳行為だ。
俺は罪悪感に襲われながら、それでも踏み出す足を止めなかった。
もう、止められない。
俺は切れる息も振りはらい、一人夢中で走っていった。





to be continued.
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