HALF.
episode.41 (ページ2/6)

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「ありがとうございます! そうしてもらえると名無しも救われると思います」
「シカマル」

綱手は顔をあげた俺を見て何か言いたげな表情を浮かべた。

「はい?」
「……いや、なんでもない。今回の任務、大変だったな。ゆっくり体を休めてくれ」





昨日の綱手とのやり取りを思い出しながら、俺はだるい体を引きずるようにベッドから抜けだした。
気になってしょうがない。
何かをしようって思うのに、名無しの涙を見せずに悲しんだあの姿が俺の頭を支配して何も考えられやしねぇ。
それに、あの時一瞬、目の前の名無しに俺がアカデミー時代に見ていた病院裏の泣き虫の少女が重なるようにして映った。
そのことも俺の中に小さな波を立てていた。

名無しがあの女の子だって言うのか?

俺は軽く頭を振る。

いや、今はそれよりも……。

俺はパジャマ代わりに着ているTシャツを脱ぐと、黒いタートルネックのトップスを頭からひっかぶった。

アイツが今、どんな思いで過ごしているのか、それが一番心配なんだ。

ボトムスも手早く着替え、なれた手つきで髪を縛る。
俺はハンガーにかかっているベストをつかんで部屋を飛び出した。





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