HALF.
episode.39 (ページ1/2)

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緊迫する空気が肌をビリビリ刺激する。
目の前で起ころうとするエイシンの放電を、俺は水たまりの真ん中に突っ立ち、どうにもできないでいる。
しかし、俺の脳細胞は最後のあがきとばかりに慌てて活動を開始した。
戦いの最中につかみ損ねたエイシン打倒案をもう一度必死に追いかけ、手繰り寄せる。

クッソ、早く解決法をッ……!!
っつぅーか、さっき、なんかあったろ、使えると思った手が!!

脳の中を自分でも感心するほどのスピードで次から次へと打開策が浮かんでは消えていく。
そして――、ようやく見つけた。

これだ、俺が探してたヤツ!!

思い出すなり、俺は忍ポーチから両端に分銅のついた鉄の鎖を取り出した。
その片側にクナイをしっかり結んで握りしめ、もう一方の分銅を右手に構える。
俺の視線の先には、足元に広がる水面に手をつこうとしているエイシンの姿。
ヤツは自分だけ水たまりの一歩外に立ち、安全を確保していやがる。
俺はそのエイシンに向かって右手の分銅を投げつけた。
クルクルクル……と鎖は簡単に手首に絡みつき、エイシンはふっと動きを止めた。
鎖をチラッと一瞥したあと、屈めていた体を起こし、俺に目を向ける。



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