HALF.
episode.38 (ページ2/2)
「場の条件は整ったな」
場の条件?
エイシンのその言葉に俺の脳内を電光にも似た衝撃が突き抜けていった。
コイツ、水牢で追いかけていたのは俺を仕留めようとしてじゃなかったのか――。
俺の神経細胞がひっきりなしに情報伝達をおこなって、エイシンの目的が脳内で浮き彫りにされていく。
あれは逃げられることを前提にやっていたんだ。
なぜなら、エイシンはこの地面を水浸しにできればよかったから。
通電性のある水で辺りを満たせれば、その中に放電することで楽に俺を感電させられる。
エイシンの狙いは初めからそこ……。
俺の頭がホワイトアウトする。
やばすぎる状況に呼吸が止まり、すべての生命活動を停止した。
目に映るエイシンの顔が一切の笑みを消して、張りつめた真剣さを湛える。
これで終わりだと言わんばかりの表情に、俺は心の中で、来る、と思った。
水たまりに覆われた地面への放電が。
俺を亡き者にしようとする、アイツの容赦ない電撃の攻撃――。
to be continued.
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