HALF.
episode.34 (ページ3/7)
俺は鼻の付け根にしわを刻んで苦々しく吐き出した。
「結構だ」
「いいのか、ほんとに? せっかく俺の能力を教えてやろうと思ったのに」
「絶対ェいらねぇー」
「気の強い隊長さんだ」
エイシンがおかしそうに笑った。
聞きたくないわけねぇ。
それこそ喉から手が出るくらいコイツの力の仕組みを知りたい。
でもそれは俺のプライドが許さなかった。
だったら、考えろ――。
俺は揺るぐことなくエイシンを見つめ、先ほどのチョウジへの攻撃を思いだした。
チョウジの腕をつかんだ瞬間放出されたチャクラの流れ。
それはカカシ先生やサスケの千鳥みたいに雷遁に似た電撃系のものだった。
けれど発動させる前に印は組んでいない。
つまり忍術を使ったんじゃなく、コイツの体自体に電気を生み出すような機能があるってことだ。
だから印がなくても自由に発電できるんだろう。
そして生じた電流は、おそらくチャクラも一緒に加えて手の平から、いや、もしかすると体のいたるところから、触れた相手の体へ流し込む。
それにより引き起こされるのは、きっと感電だ。
よし、イケるッ……。
分析し終えた俺は心の中でそう思った。
俺がアイツに触れさえしなきゃ、攻撃を受けることはねぇー。
電気は空気を通さねぇーからな、接触してなきゃアイツの電撃は俺には絶対ェ届かねぇ。
だったら――影でどうにでもできる。
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