HALF.
episode.33 (ページ4/4)

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エイシンが名無子を引き寄せ、ギュッと抱きしめた。

「ゴメンな……俺ら一家がいなくなったら、お前、ほんとに一人になっちまうのにな。ほんとにごめん。だけど行かないわけにはいかねーんだよ」

エイシンが名無子の髪に顔を埋める。
一瞬グッと腕に力を込め、それから顔を上げると腕をほどいた。
頭一つ小さい名無子を見下ろし、その髪を優しく撫でる。

「名無子、これから一人でつらい思いするだろうけど、でも、もう泣くんじゃねーぞ? そんで凄い医療忍者になれ。お前ならきっとなれるから。そしたら俺が絶対お前のこと迎えに来る」
「私が泣かなかったら、立派な医療忍者になったら……エイシン迎えに来てくれるの?」
「そうだ、迎えに来る、絶対。約束する」
「約束……?」
「あぁ、約束だ」

エイシンはポンポンと名無子の頭を叩き、真剣な瞳を見せた。

「必ずまた会える、会えるようにする。だから俺を信じて待ってろよ?」

エイシンの家の方角から人の近づく気配がした。
エイシンの両親が彼を呼びに来ようとしているのかもしれない。

「名無子……それまで、元気で、な」

エイシンは名無子に背を向け、そして一度振り返ったあと、タッと走り去っていった。





to be continued.
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