HALF.
episode.30 (ページ3/4)
そう強く心に思ったとき、俺の前で面の男がこちらを向いて立ち止まった。
大名家から少し離れた野原の真ん中で俺と男が向かい合う。
すぐにチョウジが追いつき、その後名無しが辿りついた。
気持ちの悪い風が俺らの周りを吹きぬけて、足元の草を揺らしていく。
「お前、一体何者だよ?」
俺の抑えつけた声が響いて、それと同時に面の男が行動に出る。
ザッと動き、気づいた時にはすでに俺の横でチョウジの腕をつかみ、その手からチャクラを放出させていた。
バリバリッという電撃音に、
「何を――?!」
俺の叫び声はかき消され、まともに攻撃を食らったチョウジの体が地面に膝まづく。
そのまま前のめりに倒れ込んだ。
「チョウジ!!」
俺が男につかみかかろうとした頃にはもうヤツはしっかり間合いを取った位置に下がって余裕の空気で俺らを見ていた。
ちくしょー、コイツッ!!
俺は奥歯をギリッと噛みしめ、足元に突っ伏すチョウジの体を仰向けに返した。
その胸に耳を押しあてる。
耳に届く、ドク、ドク、という重低音。
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