HALF.
episode.29 (ページ6/6)

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怒るとか不機嫌とかそんなんじゃなく、よくわかんねぇーけど妙に悲しげな色を帯びてしまった俺の声に、名無しは小さく、

「すいません……」

って返してきた。
それっきり黙々と治療に当たる名無しの手から心地よいチャクラが注がれて、俺の胸を温める。
同時に、俺のそばに他の誰でもない名無しがいるってことがひどい安心感をもたらして、俺は再び目を閉じた。

名無し。
俺はもう思ってねぇーから。
お前に任せらんねぇーとか、そんなこともう思ってねぇーから。
だから二度とそんなふうに言うなよ……なぁ?

俺はチョウジのことも忘れて、自分を包み込む穏やかな光の中でそう心に呟いた。
このまま続けばいいと思う優しい時間、それが俺たちの周りを静かに流れていく。
だが、次の瞬間、

「シカマルッ!! チョウジ!! 名無子ーー!!」

屋敷を突き抜け、辺り一面にイノの叫び声が響き渡った。





to be continued.
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