HALF.
episode.28 (ページ1/3)
バリバリバリ……。
チョウジが菓子を食っている。
その横で、
バリバリバリ……。
名無しも菓子を食っている。
任務の待ち合わせ場所に着いて俺がまず目にしたのはそんな光景だった。
オイオイ、なんだよ、緊張感ゼロかい……。
任務前とは思えぬ緩い雰囲気に顔をしかめていると、最後に到着したイノがふたりを見て、ウゲッと呻いた。
「チョウジがふたりに増えてるー」
「イノぢゃん」
バリバリバリ……。
「ぐんのおじょぃ……ゲハゴフッ!」
「汚ね、お前、吐き出すなッ! っつぅーか、食うかしゃべるか、どっちかにしろよ、何言ってんのかわかんねぇーよ!!」
イノに来るのが遅いと言いたかったのだろう、菓子を喉に詰まらせ咳き込む名無しに俺は呆れた視線を投げる。
「ず……ずんばぜん……ゴハッ」
ようやっと菓子を飲み込むと名無しが涙目になって謝った。
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