HALF.
episode.27 (ページ3/3)

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身じろぎもせず俺が綱手の言葉を待っていると、綱手は目頭に力のこもる俺の表情にまっすぐ焦点を合わせ静かに告げた。

「名無しの母親はもういない。8年程前に亡くなったそうだ。父親はさらにその前に亡くなっている。家族を失くし、一人になった名無しとは近所に住んでいた幼馴染の一家が親しくしてくれていたらしいが、彼らも引っ越してしまったと聞いている。その後はひとりで頑張ってきたんじゃないか?」

黙って聞いていた俺に綱手が、これでいいか? という視線を投げてきた。
いいわけはない。
綱手はさりげなく話の要点をずらしてきている。
俺が聞きたいのは名無しの母親に「何があったか」だ。
それにはなんの答えもくれちゃいない。
でもこれ以上食いついたところで言わねぇーだろうと思う。
言ってくれるなら、綱手のことだ、最初から教えてくれてるはずだ。
俺はあきらめ顔で頷いて、一言答えた。

「わかりました」

納得しきれず燻ぶる思いを持て余し、部屋を出ようとした時、綱手が俺を呼びとめた。

「待て、シカマル」
「……?」
「次の任務の話をする」

綱手がいつもよりも真剣な瞳で俺を見ていた。





to be continued.
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