HALF.
episode.26 (ページ5/9)

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「なんスかねぇ、シカマルさんて前はもっと鬼気迫る感じで任務こなしてた気がするんスよ。一人でいろんな責任すべて背負っているような。ずっとそんなふうに見えてたんスけど、最近はその重荷が少し減ったっていうか。以前より安心して戦ってるっていうか。なんか前より楽になったんじゃないかって思えるんスよね」
「……そうか?」

俺には自分がそんなふうに変わったなんてちっとも自覚ねぇーし、よくわかんねぇーけど。

俺の前でイチヤがあっと何かに気づいたらしい表情を浮かべる。

「名無子さんがいるからッスかね」
「名無し?!」
「えぇ、怪我しても必ず治してくれるし。そこから生まれる安心感のおかげじゃないッスか?」
「……」

俺は黙ったまま、空をフッと仰ぎ見た。
確かに名無しはどんな怪我でも治してくれる。
認めたくねぇーけど、安心感て感じのものも存在してる。
そのおかげで多少強引な攻め方だって通せるようになっていた。

けど、だからって名無しに俺を変えるほどの大きな影響力があるわけねぇーだろ。
バカバカしい。

俺は口の中で呟くと、隣のイチヤに目を戻した。



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