HALF.
episode.26 (ページ4/9)
するとイチヤが俺に茶化すように言ってきた。
「またまた、そんなこと言っちゃって。いつもふたりで漫才やってるじゃないスか」
なんだよ、漫才って?!
「名無子さんのボケとシカマルさんのツッコミ。ほんと息合ってんスよね、まさに阿吽の呼吸」
「バカ、あれは……そんなんじゃねぇーよ」
俺は困ったように口ごもった。
いつもアイツがあまりにも突拍子のねぇことするから。
ついつい言葉が出ちまうんだよ。
後輩から名無しのほうへ目を向けると、さっきまでその辺でせんべいを頬張っていたはずの姿が見当たらない。
いつの間にどこに行ったんだって無意識に視線を走らす俺にイチヤが何気ない口調で呟いた。
「少し変わったッスよね、シカマルさん」
その言葉に視線をイチヤに戻す。
「変わった? どこが」
俺は何も変わっちゃいねぇーけど?
俺の問いかけにイチヤは、んー、と考え込みながら説明をする。
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