HALF.
episode.26 (ページ2/9)

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さすがにあの時はコイツも素直に礼を言ってきた。

「隊長、ありがとうゴザイマシタ。火影様から聞きました。この間戦った二人組に拉致された私を隊長が助けてくれたって。ありがとうゴザイマス」

名無しはペコリと頭を下げた。
かつてないその実直な態度に正直俺は面喰って、

「いや、別に」

冷やかす余裕もなく俺はどもりがちに答えるだけだった。
そこへ、上目遣いに俺を見上げた名無しから一本の巻物を差し出される。

「……?」

一体何か予想もつかずにそれを受け取り、俺は中身を目にして思わずプッと噴き出した。
その巻物はいわゆる誓約書っていうやつだ。
中には綱手のハンコと名無しの『勝手に隊を離れることは致しません』とか『命令にはきちんと従います』といった誓いの言葉が書かれてあって、最後にしっかりとコイツの署名が入っていた。

「へぇーずいぶん殊勝じゃねぇーか」

俺がニヤッと笑ってやると、名無しがブスーッと不服そうな顔をした。

どうやら綱手から相当しぼられたみてぇだな。

俺は名無しのその姿に我慢できず、もう一度プッと噴き出した。



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