HALF.
episode.25 (ページ3/4)

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「あのとき、僕はもうこのまま死ぬんだって思ったんだ。毒のせいで体がしびれて動けなくなって呼吸もだんだん苦しくなっていく。本当にダメだと思ったんだよ。でも名無子が現れて、耳元で僕に言ったんだ。必ず助けるからって」

俺の頭にキノコ地帯で倒れているチョウジのそばで膝まづき何かブツブツ呟いていた名無しの姿が思い出された。

独りごとだとばかり思っていたアイツのあの呟きはチョウジに対するものだったのか。

きっと励ますような約束するようなそんな強い響きだったんだろう。

「名無子の声を聞いた瞬間、あぁ助かるってそう思った。それまでずっと名無子のことを身勝手で腹立たしく感じてたのに、そんなのもうどうでもよくなるくらい、あの時の名無子の声は僕を安心させるものだった。すごくホッとして目を閉じたくなるような安心感に満たされる声だったんだ」
「チョウジ……」

俺にはチョウジの言ってることが理解できる気がした。
俺の腕を治した時の名無し。
そのとき俺がアイツに感じた安心感と同じ感覚をチョウジも感じたに違いない。
チョウジはそれを俺の前で言葉として表現している。



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