HALF.
episode.24 (ページ4/5)

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名無しの、『死なないで。母さん』っていうあの一言だけに神経が刺激を走らせ、俺の口は無意識に問いを投げかけていた。

「なぁ、オヤジ」
「ん?」
「……アイツの母ちゃんて、もういねぇーの?」
「……」

今まで余裕な顔をしていたオヤジは急に黙り込み、取ってつけたような不自然さで左手首に目を向ける。

「おっと、もうこんな時間か。お父さんは仕事に行かなくては……」
「って、お前、腕時計してねぇーし!! 何、誤魔化してんだ、コラァッ!!」
「ご、誤魔化してなんかないだろーが、誤魔化してなんか……」

ジリジリと後退していくオヤジに俺は一歩一歩近づいていく。

なんでそんなに言葉を濁す?

「何を知ってんだよ?」
「別に俺は何も……」
「嘘つくなよ、オヤジ」

オヤジが俺から目をそらした。

「……詳しく知りてぇーなら五代目にでも聞いてみたらどうだ」



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