HALF.
episode.23 (ページ4/4)
「アイツ、今、俺の専属医療忍者なんだよ」
「へぇー、そうなのか。そりゃまた羨ましいな」
「何がだよ?」
あんな無茶苦茶な奴を直属にされてこっちはいい迷惑だと言わんばかりに俺は口角をひん曲げる。
その俺の表情をオヤジはズイッと覗きこんできた。
「あの子、スゴイだろ? あんなにしっかり命を守ってくれる子、そうはいないぞ? それが専属なんていいじゃないか、お前、死なないで済むよ」
俺はオヤジの顔をまじまじと見た。
目に映るオヤジの顔つきは決して俺を茶化しているような感じではなく、真面目に意見しているらしいとわかる。
だが、俺はため息交じりに肩を落とした。
オヤジもか、というのが正直な感想だった。
綱手に続き、オヤジまでもが名無しの腕を買っている。
なんだって、ふたりしてそんなにアイツを信頼してんだよ?
オヤジはみそ汁をズズズッと一口すすり、微妙な顔してる俺に目を向けた。
「で、何の話だ? 俺になんか聞きたかったんじゃないのか、お前?」
あぁ、そうだった。
俺が慌てて口を開くと、それを制してオヤジが待ってましたと言いたげにニヤリと笑った。
「まぁ、待て、シカマル。質問には答えてやるよ。答えてやるが、しかし。タダって言うのもなぁー。だろう?」
わかるよな? というように俺に目配せし、オヤジは満足そうに卵焼きの最後の一切れをほおばった。
to be continued.
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