HALF.
episode.23 (ページ2/4)
階下に下りていくとリビングではオヤジが食卓を囲んで朝食を取っている最中だった。
卵焼きをハグハグと食べてるオヤジの前に俺は不機嫌極まりない顔でドッカと座る。
「おー、おはよう、シカマル。ずいぶん早起きじゃないか」
「……おはよう。母ちゃんは?」
「母ちゃんなら今、庭で洗濯物干してるぞ」
「あ、っそ」
テーブルの上に頬杖ついた俺は寝起きと悩みで物憂い瞳をオヤジから朝食へと落とす。
朝食は俺の分も用意されていて、俺は力なく箸をつかむと目の前のサラダを食いはじめた。
「なんだ、お前。飯とみそ汁、よそってくればいいじゃないか」
「そんなに食いたい気分じゃねぇーんだよ」
そっけなく答えると、俺はサラダの横のぶりの照り焼きを突っついた。
「ははぁーん。そうか」
「――?」
何かに気づいたらしい口ぶりにチラリと目を向けると、オヤジは味付けのりを箸に挟んだ体勢で得意げに身を乗り出した。
「お前も難しいお年頃ってやつだな。初奴め。恋の悩みならお父さんが相談に乗ってやるぞ?」
……何言ってんだよ、朝っぱらから。
ったく、めんどくせぇー。
ほんと俺の周りにはこんなのばっかだな。
思いっきり顔を嫌そうにしかめた俺は、そのときフッと思い浮かんだ別の人間に意識を止める。
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