HALF.
episode.23 (ページ1/4)
頭の中をグルグルと回っている。
名無しの『死なないで。母さん』ていう言葉と、病室で名無しの手を握るチョウジの姿。
その二つが俺の中をどっかの遊園地のメリーゴーランドばりに果てしなく回り続けている。
クッソー、頭から離れねぇ……。
ベッドの中でタオルケットにくるまって無理やり眠ろうと目を閉じるのに、俺の意識は熟睡どころかレム睡眠にさえ全く落ちていきやしない。
窓の外からは朝の光にまぎれて鳥の鳴き声が聞こえてくる。
休みの日だっていうのにこんなに早く起きたくねぇーんだよ。
心の中で愚痴るものの、すでに交感神経が働き過ぎちまって頭が冴えるばっかりだ。
「あぁ、ちくしょう!」
俺は苛立たしげに声をあげ、ガバッとベッドから跳び起きた。
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