HALF.
episode.21 (ページ3/3)

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俺の背に揺られ眠り続ける名無しに向かって俺はわざと億劫そうに告げてやる。

「ったく、もう、めんどくせぇーな。しょうがねぇーから今日の定食代は俺がおごってやるよ」

聞こえちゃいねぇーんだろうけど、俺は故意に口に出し、もう一度破顔する。
そのとき名無しが呟いた。

「死な……な……い、で……」
「だーから、あの女は死んでね……」
「……か……あ……さん……」

――ッ。

浮かべていた笑みが消え、俺は真顔で名無しを振り向いた。

母さん……?

俺の心に名無しの思いもよらない一言が冷たい氷の刃のように深く鋭く突き刺さる。

母さんて、言ったよな?
それって――。

林道ですっかり止まってしまった俺の足元から凍えるような冷気が立ちのぼってくる気がした。





to be continued.
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