HALF.
episode.20 (ページ4/4)
名無子?
今回はあきらめる?
どうゆーことだよ?
なんでコイツ、名無しのこと知って……?
面の男の後ろでサグがようやく子グマを腕から引き離し、急いでリダの体を担ぎあげると、そのまま背を向け走り出した。
面の男も俺のクナイをはじき、サグの後を追い始める。
走りながら男は俺の足元に千本を投げつけ、こちらが追ってこぬよう足止めさせる。
チッ、捕まえんのは無理か。
俺は舌打ちすると、消えゆく男の後ろ姿から名無しに目を移した。
地面に横たわる名無しのそばに座り込み、その顔を覗きこむ。
見たところ、別段ケガはしていない、ただ一時的に意識を失っているだけのようだ。
そのことを確認した途端、俺の心と体に一気に疲労が押し寄せた。
体の後ろに手をつき、はぁ〜っと大きく安堵の息を吐く。
ったく、手間かけさせやがって。
でも、まぁ、俺もコイツも無事で何より、か。
あとは……面倒くせぇーけど、連れて帰んなきゃな。
背後についた手に体重を乗せたまま名無しの顔を見つめていると、そばにトットッと子グマがやってきた。
その姿に頬をゆるめ、手を伸ばす。
「お手柄だったな」
助かったぜ? って呟きながら、俺は子グマの首をワシャワシャとなでてやった。
to be continued.
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