HALF.
episode.20 (ページ3/4)
「やるじゃねぇーか、子グマ!」
俺は称賛の声を浴びせると、間髪いれずクナイホルダーに手をかけた。
クナイをつかみ、子グマに食いつかれ混乱しているサグ目がけて振りかざす。
もらった!!
キィーーンッ!
耳障りな金属音が響いて、サグに突き刺さるはずの俺のクナイが受け止められていた。
――え?
イケると思った状況が覆され声を飲む。
その俺の前には見たことのない忍の姿が立っていた。
サグたちと同じ忍服、顔には面をつけ、ネコのロシアンブルーみたいなやたら綺麗なグレーの短髪が目を引く。
誰だ、コイツ?!
新たな敵の出現に俺は警戒を強め、その耳に俺のクナイを余裕な空気で受け止める男の落ち着いた声が届いた。
「サグ、引くぞ。リダの体を持て」
「そ、その医療忍者は?!」
「名無子か。仕方ない、今回はあきらめる」
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