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Girl's side-35 (ぺージ1/2)

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「お前、俺と付き合え」

――ッ。

シカマルさんの、ここから見える黒髪の頭部を見つめながら、頭の中が真っ白になった。
付き合うのが嫌なわけない。
そんなふうになれるなんて、信じられないくらい嬉しくて、わけわかんないくらい幸せで。
でも。

シカマルさんは私なんかでホントにいいの?

私は震える声でシカマルさんにたずねた。

「あたし…無愛想、ですよ?」

下からシカマルさんの声が静かに響く。

「知ってる」
「冷たくて…素直じゃなくて……。可愛げないですよ?」
「それも知ってる」

じゃあ、私なんか……。

心の中の呟き声を遮るように、シカマルさんは言葉を続けた。

「不器用でがんばりやで。ホントは優しくて傷つくやすいことも、すげぇ寂しがりやで泣き虫なことも、全部知ってる。俺と付き合え、名無子」

シカマルさん……。

シカマルさんの言葉が私の体を包み込む。
いろんな私を見てて、知っててくれてるんだって、その上で言ってくれてるんだって、そう思ったら私の気持ちがいっぱいになり過ぎて泣きそうになる。
何か言いたいのに何も言葉が出てこなくて、でも、ちゃんと自分の気持ちだけは伝えなきゃって、それだけは強く思う。
私は懸命に右胸のポケットからお守りを取り出した。
虹の刺繍の入った手作りの巾着袋が顔を出して、

「……コレ」

そのお守りをシカマルさんの顔の前におずおずと差し出すと、シカマルさんは私を地面に優しくおろして、その袋を受け取った。

「私のお守り、です」

私が何の袋か教えると、シカマルさんは袋を開いて、そっと中をのぞいた。



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