take me out
Girl's side-27 (ぺージ1/1)
「名無子ッ!!」
誰かが私の名前を呼んでる……。
私は目を閉じたまま、遠くに響くその声を聞き流すように聞いていた。
「名無子ッ!! 名無子ッ!!」
誰だっけ……?
この声……。
シカマルさん……?
……違う。
シカマルさんじゃないや……。
シカマルさん……あぁ、そうだ。
私、今日、約束してるんだ。
早く帰らなきゃ……。
このままじゃ遅れちゃう。
暗闇の中で動こうとした私の全身を激痛が襲った。
「名無子ッ!」
あぁ、私、守れないのかな。
せっかくシカマルさんと交わした初めての約束なのに……。
何度も呼ばれる自分の名前がどんどん遠ざかり、ついにはその声も私の頭に届かなくなった。
to be continued.
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