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Boy's side-25 (ぺージ1/2)

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名無子の部屋は居心地がよくて、ついつい長居をしてしまった。
たいした話なんかしてねぇのに。
ただお茶飲んで、ちょっと会話して、なんか二人でまったりして、それだけなのに妙に居心地良くて。
いつの間にか結構な時間が過ぎている。

「明日も任務あんのか?」
「うん」
「カカシと?」
「うん」

だよな。

けど、コイツんちに来た時よりもカカシに対する嫌悪感が格段に減少している自分に気づく。
俺は素直に頷いた。

「そっか。めんどくせぇけど、俺も明日は任務だ。まぁ、お互い頑張るしかねぇーな」

そう言い終えると、俺は思い切って立ち上がった。

「そんじゃ俺、帰るわ。疲れてっとこ長居して悪かったな」





トントントンと外付けの階段を下りて、俺はアパートの前の道路に出る。
その道を家に向かって歩き始めた。

もう少し行ったところでケンカしたんだっけな。

前方の見覚えのある場所に目を凝らしながら、俺はアイツを怒鳴りつけた夜を思い出す。
たいして経っちゃいねぇのに、なんかすげぇ昔のような気がする。

変な感じだよな。

不意にこみ上げた感傷に微かに口の端を歪ませた時、ガラガラッと俺の背後で窓の開く音がした。
後ろを振り返り、音のしたほうを見ると、名無子が二階の部屋の狭いバルコニーから俺を見送っていた。
たったそれだけのことなのに、俺にとってはなんかひどく嬉しくて、

「どーした?」

俺は声をかけずにはいられなかった。
その声に答えるように、名無子は俺があげたこんぺいとうの包みを顔の横で左右に振る。



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